授業概要
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本講義では世界農業遺産という国際的な認証システムを通して、農業・林業・漁業をはじめとした一次産業が、地域の自然と調和し持続的に成立している「社会生態システム」を体験的に理解することをねらいとする。
岐阜県長良川上中流域の4市区域(郡上市、美濃市、関市、岐阜市)は、2015年に国連食糧農業機構(FAO)により「清流長良川の鮎」として世界農業遺産(GIAHS)に認定された。流域に約86万人の人口を抱え、都市部を流れる川でありながら流域の人々の不断の努力により清流が保たれ、アユをはじめとする豊かな生物多様性が維持されている。アユだけにとどまらず豊かな清流は地域の経済や歴史、食・文化と深く結びついており、このような人の生活、水環境、漁業資源が密接に関わる里川(さとかわ)全体のシステムを「長良川システム」と呼ぶ。 この長良川システムを社会生態システムと捉え、その持続性を維持している仕組みについて、世界農業遺産を所管する岐阜県里川・水産振興課の協力のもと、フィールドワークを通じて学ぶと共に、現代においてその持続性を危うくする様々な社会問題・環境問題に対してどのように対処することができるか、学生諸君の若い感性で感じ取り、アイデアを検討し、提案してもらいたい。
<担当教員からのメッセージ> 世界農業遺産はユネスコの世界遺産と比べて聞きなじみがないかと思いますが、農林水産業などのなりわいと密接に結びついた持続可能な社会生態システムとして、世界的に重要性が認められ、年々その認知度が高まっています。この科目を通じて、岐阜県にある世界農業遺産を知り、その魅力を五感で感じてほしいと思います。そして、学生視点で農業遺産にまつわる課題解決の提案を行っていただけることを期待します。
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到達すべき 目標
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・世界農業遺産に関する概念・キーワードについて、自身の言葉で説明することができる。 ・岐阜県における世界農業遺産の事例について体系的に理解し、その魅力と課題を自身の言葉で説明することができる。 ・世界農業遺産を通じて、持続可能な社会生態システムの在り方を検討し、その将来展望や更なる発展のアイデアについて、自身の考えを述べることができる。
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授業計画と 準備学習
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1 ガイダンス ※4月16日(水)3限目に対面(22番教室)で参加、あるいはオンデマンド動画を受講のこと。
2 世界農業遺産と各地の認定地事例紹介 ※オンデマンド開講
3~5 世界農業遺産「清流長良川の鮎」フィールドワーク ※バス見学 源流の植林現場見学、普及啓発施設(あゆパーク)見学、郡上八幡の水郷見学、魚苗センター見学等(予定)
6~7 世界農業遺産「清流長良川の鮎」の現場実践者によるレクチャー 8 フィールドワーク振り返り(グループワーク) 9 課題解決の提案①(グループワーク)アイデア創出 10 課題解決の提案②(グループワーク)発表準備 11成果発表(中間)
12 課題解決アイデアの実践① 13 課題解決アイデアの実践② 14 課題解決アイデアの実践③ 15 成果発表(最終)
※フィールドワーク(3~5)およびレクチャー・グループワーク(6~15)は8月中旬~下旬ごろに開講予定です。現地フィールドワークは日帰りを予定し、JR岐阜駅を集合解散場所とする予定です。なお、フィールドワークおよびグループワークの一部は、他大学・高校の学生・生徒と合同で実施する場合があります。詳細はガイダンス時に説明します。
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授業実施方法
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授業の特色
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学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
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使用言語
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TA,SA等配置 予定
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基盤的能力 専門的能力
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授業時間外 の学習
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参考書ならびに関連資料に目を通すほか、関連する最近のニュース等に注目しておいてください。 オンデマンド講義について講義の感想や質問に関するレポートを課します。また、講義内で宿題を示す場合があるので、指示に従うこと。
<質問への対応方法> 原則、TACTを通じたメッセージで質問等を受け付けます。
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成績評価の 方法
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小テスト(10%)、グループワークの参加態度および口頭発表(40%)、レポート試験(50%)で評価し、<到達度評価の観点>に記載した内容が達成されることを単位認定の基準とします。
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到達度評価 の観点
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・課題発見力:世界農業遺産の現状を分析・把握し、課題を明らかにすることで解決に取り組む準備ができている。 ・論理的思考力:世界農業遺産について、自然および人間社会の両面から物事を分析、統合、比較、関係づけて論理立てて思考することができる。 ・創造的思考力:生態系と人間活動の関係を踏まえた上で、課題解決につながる新たな発想を生み出すことができる。 ・計画力:課題解決のプロセスを理解した上で、課題解決に向けた計画が立案できる。 ・実行力:目的を設定し、他者と協働して実行することができる。 ・管理力:目的に向かって、自身やチームの行動や活動をコントロールできている。 ・傾聴力:相手の意見を理解しながら聞くことができる。 ・発信力:客観的な事実や観察を元に、自分の意見を分かりやすく伝えることができる。 ・状況把握力:自分と周囲の関係性を理解し、その場の状況が把握できる。
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テキスト
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テキスト (詳細)
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参考文献
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No
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書籍名
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著者名
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出版社
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出版年
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ISBN/ISSN
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1.
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『世界農業遺産: 注目される日本の里地里山』
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武内和彦
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祥伝社
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2013
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978-4396113476
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参考文献 (詳細)
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担当教員実 務経験内容 または実践 的教育内容
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実践的授業 内容等
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備考
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フィールドワークでは昼食代などを除き、参加費は徴収しない予定です。 夏のフィールドワークなので、帽子やタオル、水分補給など、熱中症予防対策を各自、怠らないこと。
本科目は「次世代地域リーダー育成プログラム」の初級段階科目の対象(地域活動科目群)です。特に環境リーダーコースの選択必修科目の一つに位置付けられています。
上級段階へのステップに進むために、その他の科目を含め計画的に8単位以上修得する必要があります。詳しくは地域協学センターパンフレット、もしくは教員までお問合せください。 https://www.ccsc.gifu-u.ac.jp/
本科目は第6次岐阜県環境基本計画に基づき岐阜県環境生活部の支援を受けて実施されています。
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