授業概要
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この講義では、活版印刷文化について、というか「書物」そのものの持つ意味について考えてみます。通常こうしたテーマで講義をするとなると、声の文化と文字の文化の比較・活字メディアと電子メディアの比較といったメディア論寄りのものになりがちなのですが、ここでは特に書物がどう読まれ、書かれてきたかに着目することで、文学史・文学批評の面からも迫ってみるつもりです。本が好きでたまらない人だけでなく、本を1ページ目から順番に読んでいくのが苦痛でつい途中に飛んでしまう人、後ろから読んでしまう人、挿し絵だけパラパラ眺めてしまう人、最後まで読み切れなかった本が本棚に並んでいる人、近頃さっぱり本を読まなくなった人、そんなあなたのための講義を目指します。
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到達すべき 目標
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表向きは(1)「書物」に限らずあらゆる文化事象を多面的に捉えられる視点を身に付けてもらうこと、実際は(2)人文学の講義の真価は表向きの「到達目標」からはみ出てしまう部分にこそあると実感してもらうこと、でしょうか。
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授業計画と 準備学習
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講義内容は、だいたい次のような感じです。
第1回:授業のおおざっぱな案内。 第2回:本の定義のようなもの。 第3回:本の歴史を大急ぎでたどってみる。 第4回:活版印刷術が出現したことの文化史的な意義を考える。 第5回:日本の書籍業界の問題点について考える。 第6回:『はてしない物語』を題材に、のめり込む読書を考える。 第7回:本を書くことについての本『トリストラム・シャンディ』を紹介する。 第8回:ハイパーテキストについて考える。 第9回:ハイパーテキストと究極の図書館のようなものを考える。 第10回:本棚に並べられた本について考える。 第11回:日本の電子書籍の現状を語る。 第12回:いわゆる教養としての読書を複雑な思いで語る。 第13回:読書と教養と立身出世についてさらに語る。 第14回:本との付き合い方あれこれ。 第15回:授業のおさらいのようなもの。
なお、この講義は全体を通じて、受講生のみなさんがTACTに置かれた講義資料を読んで小レポートを提出する、オンデマンド型の遠隔授業の形式で行います。講義資料は毎週月曜に公開し、本来の授業日である金曜までに小レポートを提出してもらいます。
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授業の特色
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学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
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毎回授業の最後に提出する小レポートでは、その日の講義を聞いて学生自らがどう考えたかを簡潔にまとめます。 また学期末レポートでは、個々の学生が講義内容を踏まえたうえで、自ら見つけたテーマを探求して論じます。
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使用言語
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TA,SA配置 予定
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基盤的能力 専門的能力
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授業時間外 の学習
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学期末レポートの準備および執筆を行なってもらいます。
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成績評価の 方法
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成績評価の対象は、毎回授業の最後に提出してもらう小レポート(55%)および学期末レポート(45%)です。
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到達度評価 の観点
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到達目標(1)「『書物』に限らずあらゆる文化事象を多面的に捉えられる視点を身に付けてもらうこと」については、受講者の小レポートおよび学期末レポートによって私が評価します。評価を行う上でもっとも重視する点は、受講者であるあなたが、講義の内容を踏まえたうえで、あなた自身の主張をどこまで論理的に展開できているかです。到達目標(2)「人文学の講義の真価は表向きの『到達目標』からはみ出てしまう部分にこそあると実感してもらうこと」については、成績評価ではなく授業評価に関わる到達目標なので、実際に受講するあなたが評価してください。
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テキスト
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テキスト (詳細)
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毎回の授業では、さまざまな参考文献からの引用から構成される授業資料を配布します。
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参考文献
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参考文献 (詳細)
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上に挙げた5冊は、あくまで授業の雰囲気を知ってもらうために挙げた例にすぎません。この授業のために使用する文献やウェブページなどの資料は膨大なものになり、とても上の欄には書き切れないので、配布資料に書誌情報を掲載します。
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担当教員実 務経験内容 または実践 的教育内容
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実践的授業 内容等
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備考
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【新型コロナウイルス感染症対策に伴う授業の実施形態について】 授業の実施形態:この授業は遠隔授業の形式で行います。 遠隔授業の実施方法:TACTに講義資料をアップロードするオンデマンド型で行います。 遠隔授業における教育効果の担保:TACTで講義資料へのコメント提出ができるようにします。質問にはTACTの「お知らせ」機能で回答します。 遠隔授業における学生間の意見交換の機会:TACTのフォーラム機能を用いて意見交換の場を設けます。
【オフィスアワー】 後期は次の時間帯に在室している可能性が高いです。火曜10:00-12:00、水曜12:10-16:00、金曜10:00-14:40。
【連絡先】
[居室]地域科学部A棟7階 内田研究室
[メール]masaru@gifu-u.ac.jp
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