授業概要
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宇宙物理学は,宇宙における様々な現象その構成要素 (例えば星, 銀河, 星間物質) の性質や起源を,宇宙観測と理論物理学に基づいて探究する学問である.本講義では,宇宙観測の基本である「天体の放射」の理解に焦点を置く.電波からガンマ線まで10桁以上にわたる電磁放射から,どのような物理的情報が得られるか,電磁気学や量子力学,熱・統計力学の知見をもとに理解する.さらに,大質量星(8太陽質量以上の巨大な恒星)の形成過程や,超新星爆発が宇宙空間に与える物理的影響など,世界最先端の観測的・理論的研究成果を学ぶともに,古典力学や流体力学,特殊相対性理論などの知見と結びつけて理解する.
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到達すべき 目標
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・天体放射に関する基本を体得し,物理学の知見をもって天文現象を理解する. ・最先端の研究成果に触れ,宇宙観測と理論物理学の意義を学ぶ. ・各種物理定数を用いて,宇宙物理学におけるオーダー計算をする力を養う.
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授業計画と 準備学習
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1. ガイダンス 2. 私たちの住む宇宙 3. 星の一生と星間物質 4. 黒体輻射と熱力学的平衡 5. さまざまな熱的・非熱的電磁放射 6. 輻射輸送方程式 7. 線スペクトルの励起・放射機構 8. 星間ガスの観測の歴史と最新像 9. 宇宙流体の基礎方程式 10. 星の形成: 太陽系の誕生 11. 星の形成: 大質量星と星団の形成 12. 銀河の構造と進化 13. 超新星爆発とその残骸 14. 宇宙線の起源 15. 残された課題と今後の展望 16. 期末試験
講義の進度に応じて予定を変更する場合がある.
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授業実施方法
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授業の特色
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学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
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使用言語
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TA,SA等配置 予定
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基盤的能力 専門的能力
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授業時間外 の学習
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高度な内容を扱うため,知識の定着および理解の深化には,授業時間外の学習(復習)が必須である.また,講義を通して分からなかった点や不明点などを明確にし,次の講義中または前後に質問できることが望ましい.
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成績評価の 方法
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1. 各講義の最後に実施する確認テスト [45%] 2. 期末試験 [45%] 3. 講義への参加姿勢 [10%]
1. については,各講義を聴講することで解答できるレヴェルの確認問題を出題する. 2. については,手書きの自作ノート1冊のみ持ち込みを可とする. ただし,ルーズリーフのような脱着可能なノートや,印刷物およびその貼付は認めない. 3. については,講義中または前後における質問や発言など,講義への取り組みかた全般を評価する.
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到達度評価 の観点
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テキスト
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No
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書籍名
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著者名
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出版社
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出版年
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ISBN/ISSN
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1.
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『星間物質と星形成』
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福井康雄ほか
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日本評論社
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2008
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4535607265
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テキスト (詳細)
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・シリーズ現代の天文学 第6巻「星間物質と星形成」をテキストとして使用する. ・購入は必須ではないが,手元にあると予習・復習に大変役立つ.
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参考文献
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No
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書籍名
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著者名
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出版社
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出版年
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ISBN/ISSN
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1.
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『電波天文学』
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中井直正ほか
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日本評論社
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2009
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4535607362
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2.
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『星間物理学』
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小暮智一
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ごとう書房
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1994
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4906264077
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3.
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『Physical Processes in the Interstellar』
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Lyman Spitzer Jr.
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John Wiley & Sons
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1998
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9780471293354
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4.
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『Radiative Processes in Astrophysics』
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George B. Rybicki, Alan P. Lightman
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Wiley-VCH
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1985
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9780471827597
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5.
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『Physics of the Interstellar and Intergalactic Medium』
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Bruce T. Draine
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Princeton University Press
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2010
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9780691122144
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参考文献 (詳細)
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・本講義を受講するうえで有益となる書籍をまとめた. ・ここに書ききれなかったものは,随時,講義中に紹介する.
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担当教員実 務経験内容 または実践 的教育内容
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実践的授業 内容等
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備考
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【授業の実施形態】 原則,対面授業で行う.
【その他】 次のことに留意すること. ・事前に東海国立大学機構の学習支援システムである TACT を確認すること. ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における岐阜大学の活動指針等により, 実施形態を変更する場合がある (必要事項はメールなどで連絡する). ・宇宙科学研究室 (https://www1.gifu-u.ac.jp/~sslab/) への配属を希望する学生は, 宇宙電波工学 (3年/後学期/水曜/2限) と合わせて履修することを強く推奨する.
【連絡先】 居室:工学部棟C館7階 C726 メール:sano.hidetoshi.w4@f.gifu-u.ac.jp 居室を訪ねる際は,事前にメールで連絡を入れることが望ましい.
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