授業概要
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難病の娘が父に言いました。「パパ、わたしの薬をつくって」。アメリカの実話です。父は勤めていた会社を退職し、薬を作る会社を立ち上げるのに必要な寄付金を集めるため、全米をまわりました。やがて会社ができ薬もできましたが、その薬を娘に投与出来ませんでした。臨床試験は利害関係のある近親者を除外する必要があったためです。父は立ち上げた会社を退職し、会社と無関係の人となり初めて娘にその薬を投与することが出来ました。そうして子供の病気は治りました、というお話です。難しい数学や物理を学ぶ理由は、現在、治らない病気の治療法を開発するためです。量子力学は、現代の生命科学を支える基礎理論です。大学病院にあるMRIを理解するためには量子論が必要です。本授業では数学の基礎(集合・位相、代数、幾何)、熱力学、統計力学、量子力学の歴史からシュレディンガー方程式の解まで、を生命科学の例を交えて、分かりやすく解説します。
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到達目標
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1.古典論と量子論の違いを説明できる。 2.非可換代数の説明ができる。 3.シュレーディンガー方程式を導くことができる。 4.簡単なシュレディンガー方程式が解ける。 5.生命を担うタンパク質や核酸の物質的基盤を説明できる。
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授業計画と 準備学習
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1.量子サイエンス入門(1) 古典的確率と量子論的確率:量子コンピューターの世界(量子入門) 2.量子サイエンス入門(2) 生物を構成する分子の複雑さ(生命科学入門) 3.量子サイエンス入門(3) 自由エネルギー、エントロピーとは何か?(熱・統計力学入門) 4.NMRの考え方(1) 5.NMRの考え方(2) 6.不確定性と量子化(量子論の基礎) 7.量子サイエンス入門(4) シューレーディンガー方程式の解き方 8.量子サイエンス入門(5) 水素原子をみんなで解こう(1) 9.タンパク質と医学・生物学(1) 10.タンパク質と医学・生物学(2) 11.量子サイエンス入門(6) 水素原子をみんなで解こう(2) 12.量子サイエンス入門(7) 水素原子をみんなで解こう(3) 13.量子サイエンス入門(8) 水素原子をみんなで解こう(4) 14.量子サイエンス入門(9) 水素原子をみんなで解こう(5) 15.筆記試験
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授業の特色
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学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
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使用言語
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TA,SA配置 予定
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基盤的能力 専門的能力
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授業時間外 の学習
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1.配布されたプリントやレポート問題を、様々の情報源を利用して理解し、解く。 2.現実に直面する問題を、量子論的観点から考察してみる。
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成績評価
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最後の授業において、筆記試験を行う。提出レポートの内容(40%)、受講日数(40%)、試験点数(20%)などにより、総合的に成績評価を行う。
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到達度評価 方法
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レポートの内容、及び試験の成績で、到達度を評価する。
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テキスト
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No
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書籍名
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著者名
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出版社
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出版年
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ISBN/ISSN
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1.
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『なるほど量子力学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』
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村上雅人
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海鳴社
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2003年
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テキスト (詳細)
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参考文献
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No
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書籍名
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著者名
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出版社
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出版年
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ISBN/ISSN
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1.
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『美しい量子力学』
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外村彰
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サイエンス社
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2010
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2.
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『量子アルゴリズム』
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中山茂
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技報堂出版
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2014
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3.
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『Noncommutative Geometry』
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Connes
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Academic Press
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1990
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参考文献 (詳細)
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備考
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