授業概要
|
|
自分の将来を考えるとき,何等かの意義のある生き方を模索して方向づけた人生に向かって進んでいくように,企業という組織も自社の目的を定め,その達成のために日々の活動を行っている。人でいえば生き方の方向づけ,組織でいえば目的志向的な組織の方向付けや未来づくりが「戦略」である。戦略という言葉は非常によく使われる言葉であり,「戦略を語る人の数だけ戦略の定義がある」とも言われている。それくらい戦略という言葉は多様性と多義性を有しているため曖昧だが,人や組織の長期的な未来づくりを担っている。故に組織(人)の未来は戦略次第ともいえる。本講義では,最初に経営学の基礎を復習し,企業を取り巻く内外の環境や組織構造,組織文化を踏まえ,企業の事業戦略,企業戦略の基本を修得し,最後はゲスト講師を招いてリアルな戦略について講演いただく。また各回の後半は数人でグループディスカッションを行い,講義での気づきを確認する。
|
|
|
到達すべき 目標
|
|
①経営戦略の基本的な用語や考え方について理解する。 ②経営戦略の全体像を理解する。 ③上記①,②について,自分の言葉で表現できること。
|
|
|
授業計画と 準備学習
|
|
1回 ガイダンス/戦略とは → 本講義の内容と進め方等について説明した後,「戦略とは何か」について学ぶ。
2回 業界の構造 → 経営戦略を策定する上で必要な,自社を取り巻く外部環境の視点と自社の視点から企業経営について学ぶ。
3回 企業を取り巻く環境 → 経営戦略を策定する上で必要な環境分析の方法について学ぶ。
4回 基本戦略 → 個別事業の戦略である競争優位を獲得するための3つの基本戦略について学ぶ。
5回 製品ライフサイクル別戦略 → 個別事業の戦略であるPLC戦略について学ぶ。
6回 市場地位別戦略 → 個別事業の戦略である市場地位別戦略について学ぶ。
7回 リソース・ベース・ビュー → 個別事業の戦略であるRBVについて学ぶ。
8回 事業システム → 個別事業の戦略である事業システムについて学ぶ。
9回 事例紹介 ゲスト講師 → 実務家の講演により,社会の中で実際に経営戦略がどのように活用されているのか,理解する。
10回 事業領域 → 企業戦略の核となる事業領域について学ぶ。
11回 成長戦略 → 企業戦略を方向づけるアンゾフの成長マトリックスについて学ぶ。
12回 資源展開 → 企業戦略を実践するための経営資源の展開について学ぶ。
13回 組織構造,組織文化 → 経営戦略を実践する組織構造や組織文化について学ぶ。
14回 戦略の社会的側面 → 企業の社会的責任(CSR)について学ぶ。
15回 企業変革と講義のまとめ → 企業変革と講義全体のまとめと期末課題レポートについてアナウンスする。
|
|
|
授業の特色
|
|
|
|
学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
|
|
・学生同士の少人数グループディスカッション ・MS-Teamsを活用した授業と学習支援 ・ゲスト講師に対する質疑応答 ・企業分析の基礎となる企業調査票の作成
|
|
|
使用言語
|
|
|
|
TA,SA等配置 予定
|
|
|
|
基盤的能力 専門的能力
|
|
|
|
授業時間外 の学習
|
|
まず講義内で次回の講義について告知するので教科書の該当箇所を事前に読んでくること。また対象企業も告知するので,インターネット等で調べ,指定の様式に合わせてその企業の特徴をまとめ次回講義までに提出する。 次に,各回の講義後半でグループディスカッションを行うので,その時に得た自分の気づきについて当日中にディスカッションレポートとしてまとめ,提出する。またゲスト講師の公園があった場合は、当日中に課題レポートを提出する。
|
|
|
成績評価の 方法
|
|
次の①〜④を総合的に判断し評価する。 ①授業態度(30%):講義内での発言等や講義の気づきを毎回提出するディスカッションレポートの提出等 ②企業調査票の提出(30%):2〜15回の予習課題の提出 ③課題レポート(10%):ゲスト講師の講演の感想文の提出 ④期末課題レポート(30%):A4・5枚以上 ※1枚=40文字×36行=1400文字
|
|
|
到達度評価 の観点
|
|
①「経営戦略の基本的な用語や考え方について理解する」については,「授業態度」及び「課題レポート」により評価する。 ②「経営戦略の全体像を理解する」については,「授業態度」及び「課題レポート」により評価する。 ③「上記①,②について,自分の言葉で表現できること」については,「授業態度」及び「企業調査票」,「課題レポート」,「期末課題レポート」により評価する。
|
|
|
テキスト
|
|
|
|
テキスト (詳細)
|
|
『1からの戦略論』は,戦略の本質と基本概念が実際の企業の事例で説明されている。本講義はテキストに則って進めるが,「版」が異なると内容が異なるので購入の際は注意すること。
|
|
|
参考文献
|
|
|
|
参考文献 (詳細)
|
|
参考文献は800頁超の大著であり,経営戦略論だけでなく経営学で用いられる30の主な理論について経済学,社会学,心理学のディシプリンで整理し,詳しく解説している。
|
|
|
担当教員実 務経験内容 または実践 的教育内容
|
|
講師はベンチャー企業から大企業まで複数の民間企業での実務経験を有し,その1つに中小企業支援センターの経営指導員としての実務経験を有する。
|
|
|
実践的授業 内容等
|
|
講師の経験に基づき,多くの企業を事例として取り上げ,理論と実務が融合した実践的な講義を行う。
|
|
|
備考
|
|
・授業の実施形態:すべて対面授業で行う。
自分の未来を有意義にするために戦略を学ぶことも「戦略」である。 なお,企業経営全般を理解するためには,履修できる学年に違いはあるが,マーケティング論,経営組織論,組織行動論,コーポレート・ガバナンス,コーポレート・ファイナンスを,自ら何らかの事業を起こしたい場合はこれらに加えアントレプレナーシップ論,イノベーション・マネジメント論を合わせて受講することが望ましい。
|
|