授業概要
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本講義では,人工知能(AI)の基礎から最新のトピックまでを網羅的に学ぶ.知識の表現と獲得のための様々な方法という観点から,推論,機械学習,ニューラルネットワーク,自然言語処理,強化学習などの,AIの主要な技術を体系的に理解する.またAIの歴史的背景から現代的な応用や倫理的問題まで幅広く扱う.基礎的な演習を通じて理論的な基礎を固めつつ,実際のAIシステムの設計や実装に必要な知識を習得する.さらに,AIが社会に与える影響や今後の展望についても議論を行い,技術者として必要な多角的な視点を養う.また,大規模言語モデルを使用した課題への取り組みを通じてAIを使いこなすことによるパフォーマンスの向上を体感する.
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到達すべき 目標
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・記号による宣言的知識の表現ができる ・推論による宣言的知識の導出ができる ・確率的に表現された宣言的知識を用いた推論ができる ・統計的機械学習による宣言的知識の獲得ができる ・ニューラルネットワークを用いた宣言的知識の獲得ができる ・大規模言語モデルを使って宣言的知識の獲得ができる ・自律的な決定論的因果的知識の獲得ができる ・自律的な確率的因果的知識の獲得ができる(モデル有り) ・自律的な確率的因果的知識の獲得ができる(モデルフリー) ・インタラクションと知能の本質について理解する ・AIの倫理的問題と社会的影響を理解し具体例を挙げて説明できる
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授業計画と 準備学習
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第I部 導入 01. 人工知能とは 人工知能の歴史/知能・人工知能の定義/知能と意識の違い/記述と予測/命題/相関(宣言的知識)/因果(手続き的知識)/意思決定/自律性/合理性/最適性
第II部 宣言的知識 02. 記号による宣言的知識の表現 抽象化と表象と記号/知識表現/セマンティックネット/フレームシステム/オントロジー/Linked Open Data 03. 推論による宣言的知識の導出 帰納/演繹/アブダクション(仮説推論)/記号論理/一階述語論理/導出原理/反駁証明/エキスパートシステム 04. 宣言的知識の確率的表現と推論 生成モデル/ベイズの定理/ベイズ推定/最尤推定/観測モデル/ナイーブベイズ/ベイジアンネットワーク/隠れマルコフモデル 05. 統計的機械学習による宣言的知識の獲得(教師なし学習,教師あり学習) 識別モデル/醜いアヒルの子定理/クラスタリング/k-means法/主成分分析/回帰/ロジスティック回帰/決定木/SVM 06. ニューラルネットワークによる宣言的知識の獲得 ニューラルネットワークの基礎/学習アルゴリズム/深層ネットワーク/畳み込みニューラルネットワーク/生成モデル(GAN,VAE)/再帰型ニューラルネットワーク 07. 自然言語による宣言的知識の表現 形態素解析/構文解析/意味解析/単語と文章のベクトル表現/Transformer/大規模言語モデル
第III部 手続き的知識 08. 自律的な決定論的手続き的知識の獲得 状態空間/状態と決定論的状態遷移の記述/プランニング/半順序プランニング/GPS/プロダクションシステム/サブサンプション・アーキテクチャ/探索アルゴリズム/ヒューリスティック/遺伝的アルゴリズム 09. 自律的な確率的手続き的知識の獲得(モデル有り) 確率的状態遷移の記述/効用関数/期待値と意思決定/動的計画法 10. 自律的な確率的手続き的知識の獲得(モデルフリー) マルコフ決定過程/強化学習/Q学習/深層強化学習 11. データ駆動・生成モデルによる手続き的知識の獲得 状態推定/時系列予測/物理モデル/観測モデル/カルマンフィルタ/確率ロボティクス/自由エネルギー原理
第IV部 相互作用と知能 12. インタラクションと知能 協力と競争/展開型ゲーム/同時手番ゲーム/ゼロ和ゲーム/非ゼロ和ゲーム/交渉/マルチエージェントシステム 13. インタラクティブなAI 対話システム/共同作業/ユーザーモデリング/パーソナライゼーション/説得/推薦/ヒューマンコンピュテーションとクラウドソーシング/ヒューマンインザループ/社会的AI・ロボット 14. XAIとAIの倫理 AIの説明可能性と信頼/AIの倫理的問題/規制とガイドライン
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授業の特色
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学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
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・実践的な課題:各トピックに対して,直接手を動かして学ぶ課題が設定されている. ・プログラミング演習:多くの課題でコーディングが必要とされ,能動的な参加が必要. ・データ分析と評価:機械学習やニューラルネットワークの課題では,結果の分析や評価が求められている. ・議論とレポート作成:AIの倫理や社会的影響についての議論とレポート課題がある.
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使用言語
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TA,SA等配置 予定
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基盤的能力 専門的能力
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授業時間外 の学習
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成績評価の 方法
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到達度評価 の観点
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目標に到達しているかどうかは以下の課題によって評価する.
・記号による宣言的知識の表現ができる 課題:NetworkXもしくはOWLによる知識表現 ・推論による宣言的知識の導出ができる 課題:PrologやpyDatalogによる反駁証明 ・確率的に表現された宣言的知識を用いた推論ができる 課題:ナイーブベイズによるスパムメール分類器の実装 ・統計的機械学習による宣言的知識の獲得ができる 課題:Iris Datasetを用いた機械学習手法の比較と評価 ・ニューラルネットワークを用いた宣言的知識の獲得ができる 課題:MNISTを用いた手書き文字認識 ・大規模言語モデルを使って宣言的知識の獲得ができる 課題:大規模言語モデルを用いたフューショットテキスト含意 ・自律的な決定論的因果的知識の獲得ができる 課題:8パズル ・自律的な確率的因果的知識の獲得ができる(モデル有り) 課題:動的計画法による最適行動獲得 ・自律的な確率的因果的知識の獲得ができる(モデルフリー) 課題:Q学習による最適行動獲得 ・インタラクションと知能の本質について理解する 課題:レポート ・AIの倫理的問題と社会的影響を理解し具体例を挙げて説明できる 課題:議論とレポート
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テキスト
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テキスト (詳細)
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参考文献
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参考文献 (詳細)
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担当教員実 務経験内容 または実践 的教育内容
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実践的授業 内容等
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備考
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課題は大規模言語モデルの使用を前提としている.有料版のChatGPTかClaudeを使用することが望ましい.
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