授業概要
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多くの子ども・若者が通う「学校」という機関について、社会との関連性を軸に問うていく。学校は何よりもまず、教育機関として存在するが、「そこでの教育は何のために行なわれるのか」ということを詰めていくと、必ずしも自明ではないことが分かる。また、教育が営まれるのは学校だけに限らないし、学校は教育活動以前に社会生活を営む場としてもある。 「学校とは何か」「なぜ学校に通うのか」「学校は必要なのか」などなど、それぞれ多様な解釈が可能で論争的な問いであるが、日常の中ではなかなか問う機会もないし、自分の固有の経験を自明視しがちである。こうした問いに対し、さまざまな視点・角度から学校を捉え返し、自ら考えを巡らせ他者と意見を交わし合うような機会としたい。
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到達すべき 目標
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学校は、多くの者が経てきた道であり、各人固有の経験を持っている場であるが、本講義では、自身の経験を自明視せず、相対化して捉えられるようになることを目指す。 それは「学校」の問題に限らず、日常生活全般にわたり「あたりまえ」とされていることを捉え返していく視点を獲得することに通じている。 すなわち、本講義では「社会を捉える視点」の獲得こそが目標であり、そのための題材として「学校」を用いているに過ぎないという点を了解いただきたい。
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授業計画と 準備学習
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1.オリエンテーション~「学校」と社会との関連性~ 2.なぜ学校に通うのか ~学校という場の多様性・特殊性~ 〈学校の社会的機能〉 3.学校は何のためにあるのか ~理念と現実、個人と社会~ 4.不平等の再生産装置としての学校 ~「機会均等」言説の限界~ 5.子どもの貧困と支援の実情 ~教育権の平等な保障~ 6.教育と福祉の結節点としての学校 〈学校の内と外〉 7.こどもの生活空間と学校 ~家庭(地域)、学校、消費文化~ 8.学校に通えない/通わない ~支配的価値の内面化と苦しさの身体化~ 9.学校外の「学校」 ~適応指導教室、フリースクール、フリースペース~ 10.「自由な学校」をめぐるジレンマ ~働きかけ/強制、解放/放任~ 〈学校の先〉 11.〈学校から仕事へ〉の移行とその変容 12.学校を出た後に向けた教育とは ~「キャリア教育」再考~ 13.権利としてのキャリア教育実践 14.さまざまな若者支援機関と学校
15.全体のまとめ
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授業の特色
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学生のアク ティブ・ラー ニングを 促す取組
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●毎回の授業ごとに論点・考察をまとめてもらい、次回の授業に活かしていく ●随時、テーマに即した文献や実践現場、地域での学習会やセミナーの案内を提供し、自主的な学びの機械・情報を提供する
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使用言語
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TA,SA等配置 予定
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基盤的能力 専門的能力
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授業時間外 の学習
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毎回の資料には、当該内容に関係する参考文献を載せてありますので、より深く学んでみたい方は、そちらをご参照ください。もし図書館などで見つからない場合は、個別に貸し出しもしますので、言ってください。 また、授業の場だけでなく、普段の日常の中で浮かぶ「ふとした疑問」などを大切にして、自分なりに考えてみたり、友人や家族らと対話してみてください。トピックによっては、授業にも反映させていければと思いますので、適宜報告をお願いします。
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成績評価の 方法
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毎回の意見レポート(20%)と、学期末提出の最終レポート(80%)
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到達度評価 の観点
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主に毎回授業ごとに提出する意見レポを元に評価します。 また、より詳細な評価を希望する際には、個別に対応します。
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テキスト
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テキスト (詳細)
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毎回、オリジナルの題材を用意しますので、書籍としては使用しません。
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参考文献
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No
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書籍名
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著者名
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出版社
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出版年
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ISBN/ISSN
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1.
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『学校という場で人はどう生きているのか』
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浜田寿美男・佐々木賢・小沢牧子
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北大路書房
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2003
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2.
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『学校へ行く意味・休む意味』
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滝川一廣
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日本図書センター
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2012
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3.
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『思春期の危機を生きる子どもたち』
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中西新太郎
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はるか書房
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2001
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4.
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『若者はなぜ「就職」できなくなったのか?』
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児美川孝一郎
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日本図書センター
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2011
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5.
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『教育と福祉の出会うところ』
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竹内常一・佐藤洋作
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山吹書店
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2012
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参考文献 (詳細)
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担当教員実 務経験内容 または実践 的教育内容
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実践的授業 内容等
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備考
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教室での受講を前提としつつ、必要に応じてオンラインでの参加も可能とします。
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